ある人は「地球の医者」と呼び、ある人は「ナウシカのよう」と言う。
人間よりも自然に従う風変わりな造園家に3年間密着。
全国で頻発する豪雨災害は本当に「天災」なのか?
風のように草を刈り、イノシシのように大地を掘って
環境問題の根幹に風穴をあける奇跡のドキュメンタリー。
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「杜」とは
「この場所を 傷めず 穢さず 大事に使わせてください」と
人が 森の神に誓って 紐を張った場
なぜ植物が枯れていくのか。なぜ生きものたちが減っていくのか。いのちと向き合ううち、彼は気がついた。「大地の呼吸」が弱っていることに。人間がもたらした小さな「詰まり」が大きな土砂災害や河川の氾濫に繋がっていることに。窒息寸前の大地に息を吹き込み、堰き止められた循環を取り戻すため全国を飛び回る造園家/環境再生医・矢野智徳。自然にならう彼のやり方に共鳴し、かつての「杜」を蘇らせるべく動き始めた人々と木や大地、生きとし生けるすべてのものとの、いのちの交歓と再生の物語。
【映画の内容】
矢野智徳さんに初めて会ったときの衝撃を忘れない。
「虫たちは葉つばを食べて空気の通りをよくしてくれている」
「草は根こそぎ刈るから反発していっそう暴れる」
「大地も人問と同じように呼吸している」
植物や虫、大地、生きとし生けるものの声を代弁するような言葉はナウシカのようだった。
風のように枝を払い、穴を掘る様子はイノシシのよう。
こんなふうに自然と関われたらどれほど豊かに生きられるだろう。
いや、人間であることの罪悪感が少しは軽くなるかもしれない。
それから4年後。
技術も知識も経験も機材もない中で、彼を追いかける旅は始まった。
何処へ行っても、傷んだ自然とコンクリートがあった。
そして、汗だくで草を刈り、泥だらけになって土を掘り、笑顔で帰っていく人々がいた。
2018年7月。西日本で大変な災害が起きた。彼が以前から警告していたことが現実となったのだ。
被災現場に駆けつけた矢野さんは言った。
「土砂崩れは大地の深呼吸。息を塞がれた自然の最後の抵抗」
かつての人々が大切にした言葉、「杜(もり)」とは「この場所を傷めず禄さず大事に使わせてください」と人が森の神に誓って紐を張った場。 自然と共に生きるすべを、人間という動物の遺伝子はきっとまだ憶えている。この映画がその記憶の小箱を開く鍵となることを切に願う。
監督:前田せつ子
【出演者】
矢野智徳(やのとものり) 1956年福岡県北九州市生まれ。
父親の懐助氏が私財を投じて始めた花木植物園「四季の丘」。
10人兄弟とともに植物の世話をして育つ。東京都立大学理学部地理学科・ 自然地理を専攻。 在学中に日本ー周を敢行。
1984年矢野園芸を始める。1995年の阪神淡路大震災を機に環境改善の新たな手法に取り組み、「大地の再生講座」を各地で開催。
日時:2023年6月10日(土)
①10:00~ ②13:00~ ③16:00~ ④20:00~
各回開場は15分前となります
お申込み期限:6月9日(金)23:59まで
- 会場
- EMギャラリー
- 日時
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2023年6月10日(土) 10:00 - 21:45
- 料金
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前売り券
1,000円(高校生以上)
子ども
500円(前売り・当日ともに)
当日券
1,200円(高校生以上)
膝上幼児
無料
- 定員
- 100
- 予約
- 予約制